2017年のフィリップスオークション The Geneva Watch Auction: FIVE にて、ベトナム最後の皇帝であるバオ・ダイ所有していたロレックスのユニークピースが、ロレックス史上最高額となるCHF5,066,000で落札され話題となりました。
ベトナム最後の皇帝 バオ・ダイについて
バオ・ダイ(1913–1997)は、ベトナムのグエン朝の第13代目にして最後の皇帝です。本名はグエン・フック・ヴィン・トゥイ。
幼少期に即位後、フランスに留学して西洋文化や教養を身につけました。帰国後は司法や教育制度の近代化を進め、宮廷の古風な儀礼を廃止するなど改革を試みました。

第二次世界大戦中の1945年、日本の支援のもと、ベトナム帝国独立を宣言したものの、同年の終戦とベトナム八月革命に伴い退位。
その後、1949年にはフランスの後押しで「ベトナム国」の元首に就任しましたが、1955年の国民投票によって失職し、権力を完全に失いました。失政後はフランスへ亡命し、パリで晩年を過ごしました。
バオ・ダイは優れた審美眼と多大な財力を持ち、高級時計や特注のスポーツカーなどを所有したライフスタイルでも知られています。
ロレックス バオダイ Ref.6062とは
そのロレックスが、イエローゴールド製のケースに、トリプルカレンダーとムーンフェイズ機能を備え、インデックスにダイヤをセッティングした文字盤が特徴的な、通称 ロレックス バオダイ Ref.6062です。搭載されるムーブメントは、自動巻きの cal.9 3/4’。

1954年のジュネーブ協定の際、訪れたジュネーブで、おそらくは息抜きとして訪れたロレックス販売店「クロノメトリ・フィリップ・ベガン」で発注した時計でした。ロレックスを訪れた際に提案されたモデルを断り、そして「希少な時計が欲しい」と告げた結果、Ref.6062がバオダイのために取り寄せられたといわれています。バオダイは、生涯にわたってこのRef.6062を愛用していました。

このRef.6062は、バオダイの後、同氏の親族に受け継がれており、2002年にフィリップスのオークションでも出品されました。結果は当時のロレックスとしても最高額のCHF 370’000で落札され新たなオーナーに託されました。それから15年を経て、再びフィリップスオークション The Geneva Watch Auction: FIVEに登場することとなりました。

バオダイのRef.6062は、ヴィンテージロレックスとして希少なことはもちろん、時の皇帝バオダイが愛用したと品物としても希少価値が高く、今後も大切に受け継がれていくものと思われます。

